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マンガ「かくかくしかじか」を読んだ

漫画家東村アキコが高校時代にお世話になった絵の先生との思い出の話.

ノンフィクションでここまで壮絶なドラマが生まれた事が凄い. 今どきこんな体育会系(お金払って行く美術教室で先生から竹刀ぶん回される)いないし, そういった環境にも関わらず,先生は生徒を思いやり,生徒も先生を思いやるような関係性は そういった経験をしていない人からするととても羨ましく思う.

どんな環境でもどんなに忙しくても「描け」と言われるのは,言われた方にとってはとてもたまらない. けど,その苦しみながら描いた経験が後々になって大きな力になる. 人に苦しみを強いるような言葉を言えるっていうのは万人にできることではなく, それが出来る先生はやっぱりすごい人なんだと思う.

東村アキコさん本人が年を重ねて行く中での先生との思い出を描写しながら, 今の自分が語る場面もあるのだけれど,あの時こうしたのがいけなかった, 非常に悪いことをしたなど,当時を思う後悔のコメントがそれなりに挟んでくる. もちろん,そこはまずかったなとか思う部分もあるけど 若い時ってそういった失敗を犯すものだし,自分にも少なからずそういった経験があるので, 読んでいるこちらも共感しながら著者と同じしんみりした気持ちになる. ただ,著者からは後悔するだけでなく,そういった過去のことも噛み締めながら 今を生きようとする力強さが伝わってくる.

過去を思うノスタルジックな気持ちと,過去を大事にしながら今を活きる力を体感させてもらえる 非常に良い作品だった.