映画「Still Alice」を観た

自分が自分でなくなる病気が一番残酷だと思う.

言語学の分野で著名な研究者として知られているアリスが,アルツハイマー病に侵され,悩み,苦しみ,生き方が変わっていくお話し. 病気の発覚後はどんどん物忘れがひどくなり,その結果仕事に影響がでて仕事を退職してしまう.今まで出来たことができなくなってどんどん苦しんでいく.正直この段階でかなり観ていて心がいたかった. だがアリスの症状はどんどん深刻になっていく. これまでは適切な単語をど忘れしてしまったり,道に迷ったり,正常なアリスの記憶の部分部分が削がれているような感じだったが,病気の進行が進むと出来ないことが出来ることを上回ってしまう. 単純なこと一つ一つに人の手を借りてしまい,また物事をうまく認識できない様はまるで幼児化したようにも見える.

病気の発覚当初,プライドの高いアリスが一番重要視していたのはアリスがアリス自信であること. 病気が進行したアリスはその頃と同じアリスとは言えない状態だった.

この映画で僕が一番悲しかったのは,自分が自分でなくなってしまう事を恐れたアリスが計画した自殺が失敗したシーンだ. 自分が無くなっていく恐怖の中アリスが決断したことは未来の自分に向けて自殺の指示をする動画を送ることだった. 病気の進行に恐怖しながら,家族との残り少ない時間を生きることを選び,そして最後には自分で人生の幕を閉じようと考えた計画は,残念ながら失敗する. そして,最大の不幸はそんなアリスの決意に誰一人として気づくことがなかったこと.

アリスの生き様は誰から見ても美しいし,立派だ. アリスは確かに生きてる,ただしその精神は失われている. アリスを見た時に過去と現在のアリスのギャップをどうしても受け入れることができない.

何が一番良いのかなんて答えが出ない. アリスが自殺に失敗したのは幸せなことなのか,それとも不幸なことなのか. 答えは出ないが考えてしまう.