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映画「紙の月」を観た

紙の月 (ハルキ文庫 か 8-2)

紙の月 (ハルキ文庫 か 8-2)

宮沢りえの魅力すごいなぁ. 年を重ねていながらあれだけの美しさを保っているのは,普通有り得ない.にもかかわらず,あり得ないことがこの人にはあり得ているという,不自然さが頭のなかで混乱を誘っている気がする.

映画は銀行の営業をやっている梨花が顧客のお金を横領を横領する話. 最初は浮気相手の大学生,光太が抱えた学費代の借金を返済させる為だけだった. それが後々エスカレートし,横領したお金でマンションを買ったり車を買ったり光太とともに散財していくことになる. 光太はとても性格のよい好青年だったが,贅沢の繰り返しで徐々にお金に緩いダメ人間へと変わっていってしまう.そして最後には梨花よりも若い大学生の女と浮気していることが梨花に発覚し関係は終わってしまう. そして,横領が発覚し,梨花は破滅の道へ・・・.

梨花が横領した目的は自分の為,というより浮気相手の光太の為だった. その目的の為に様々な労力を割いて犯罪に手を染めたにも関わらず,結局は報われない結果となってしまった. 梨花には「他人に何かを与えるのは素晴らしいことだ」という思いが根本にある. この思いは尊ぶべき素晴らしい考え方だが,誤った手段を選んではいけない,こんな簡単な事もわからない梨花は本当に愚かだ. ただ,思いは崇高なだけに梨花を完全に憎みきれない気持ちもある. 梨花に魅力を感じるのは,そういった善と悪が両立した人間性を持っているからかもしれない.

この映画は色々と考えさせる. 観る人の感性を刺激し, 温かい気持ちや情熱的な気持ち,怒りなど様々な気持ちにさせる映画だった.

評価は人を選びそうだけど,僕は好きです.